2009/04/23 (Thu) オーストラリア在住の恵子さんからの手紙

アルパカ　2009年4月

 

先日誕生日に、車で３０分の隣の町になるアルパカ牧場に行ってきました。
アルパカ達はとても可愛らしくて時間があっという間に経ち、
帰りたくなかったです。

 

アルパカは南アメリカのアンデス地方の動物で、
羊のようにその毛から編み物用の毛糸が作れますが、
地元では番犬のような仕事もしているのだそうです。
高さは１４０ｃｍぐらいで、首が長いのが特徴。そして足も長く、
つぶらな大きな瞳に長いまつげ、そして羊のようなもこもこ毛に
覆われています。

 

人を惹きつける要因は、優しい顔の表情と、かわいらしい目だと思います。

羊は瞳が縦長に細い円盤型で、エイリアン（異星人）に使われる目ですが、
このアルパカの目は、瞳はなく全体が黒い丸い大きなビー玉のように
光輝いていました。そしてまつげがすっごく長く、
まるで少女漫画の目のようです。

 

性格は穏やかなのだそうですが、前足を地面に叩きつけて、
他の動物を追い払うので、番犬の役目をします。
ペットにもよいと教えられました。でも最低４エイカー(16,000平方ｍ)の
土地と、数匹の友達が必要だそうです。アルパカは仲間を必要とする
動物なのだそうです。

 

この牧場は２０エイカー（80,940平方ｍ）で、９０頭のアルパカがいて、
その大半のメスと子供が昼間は小さなカフェの隣の柵に放されます。
２頭のオスは繁殖させる時期まで隔離されます。
ここの奥さんが全部のアルパカに名前をつけているのですが、
身近でランチしながら観察し、餌をあげているうちに、
その理由がよく分かりました。アルパカはとても個性があります。
羊の顔はほとんど同じですが、アルパカは顔の表情がとても豊かで、
慣れると簡単に見分けられます。時々泣きそうな変な声も出します。
餌をあげたときに触れた唇はとても柔らかかったです。
噛まれる心配もありません。何故なら奥歯は噛むために上下ありますが、
前歯は下に板のような歯があるだけだから。そして興味深いことは、
御トイレの場所が決まっているのです。
全てのアルパカがある一定の場所に行って便をするのです。
（大も小も）そして、そこが一杯になると別の場所でまた皆がするのです。
ですから牧場主はお掃除が簡単と言っていました。草原でも、
やはり自分たちで決めた場所にするそうです。面白くないです？

 

アルパカはらくだと同じ様に折れるように座り、座った姿勢もらくだと同じ。
親戚なのだそうです。そしてアルパカにそっくりな「ラーマ」という動物が
同じアンデスにいますが、ラーマは毛がまっすぐで、
毛糸には向かないので、番犬用だけに使われているそうです。
毛の色はさまざまですが、子供の毛の色は親とは全然違う色になる
そうです。
グレーといわれる少し赤みのグレーが一番人気があるのだそうですが、
その色の子供がなかなかできないのだそうです。

 

私と夫と姑の３人は、ランチを含め、結局ここに４時間いました。
このアルパカ、可愛いだけでなく「癒しの力」があるように感じました。
見てるだけで心を和ませてくれます。ずーっと側にいたいと思いました。
帰り道に、将来はアルパカを4匹ぐらい飼って、
余生を過ごしたいね、と夫と話しました。

 

（私は1週間後に、アルパカ毛糸を買いに、またこの農場を訪れ、
3時間過ごしました。夫にセーターを編もうと思ったのですが、結構高い。
断念して、靴下と手袋を編むことにしました。アルパカ製品はつるつるして、
軽いです。また毛玉ができにくく、羊毛より保温性に優れ、
イタリアスーツにも使われているのだそうです。）

オーストラリアからのあったかいお便りでした。